GOEの出方に傾向があるのか考えてみようかと…男子編


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男子はデータの多いSPの3Aで考えてみましょうか
27選手の数値が出ていました

I-scopeの数値について妥当かどうかは確認してません
数値が正しいと仮定して考えてます


高さと飛距離はGOE+4以上つくには当てはまらないといけない

『1)高さおよび距離が非常に良い』に関係する

一番右の列には入りの工夫とGOE+4以上がある場合を書きました
入りの工夫はGOE+4以上に必須ではないが、有無は誰が見ても一致するだろうから

白色は何もせずに構えてジャンプしたもの
黄色はなにかしら行ってからジャンプしたもの
赤色は先シーズンであれば難しい入りに該当するほどの入りからジャンプしたもの

もちろん黄色の中でも難易度の違いはかなりあるし、赤色でも難易度に差はあるが



まずは滑走順に表にしたもの
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男子は女子と違ってジャンプの前に工夫がある選手の方が少数派
先シーズンはジャンプの前に工夫を入れてたけど今回はなくなった選手が何人もいます

ルール変更でGOEの最大加点に
ジャンプの前の工夫が必須ではなくなったのが大きいのでしょうか?

GOE+4以上がついてるのは滑走順が全て後半ですね




距離ランキング
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上位も下位も+4以上が出てますね

女子の2Aでは距離の上位に+4以上は集中してた感はあるけど、
男子の3Aには感じないですね




高さランキング
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これも上位も下位も+4以上が出ていますね

距離と高さのどちらが優先度が高そうかといえばどちらでも無さそうな
女子の2Aでは距離の方が優先度が高そうでしたけど



+4以上出ているものは
高さと距離の一方が優れているが他方が悪いのかといえばそうでもない


どちらも優れていて+4以上出ているのは
羽生選手、メッシング選手

一方が優れているが他方が悪くて+4以上が出ているのは
宇野選手、コリヤダ選手

どちらもそこそこで+4以上出ているのは
田中選手

一方はそこそこで他方は悪くて+4以上出ているのは
ブラウン選手

どちらも悪くて+4以上出ているのは
チェン選手、ジン選手、リッツオ選手


どちらも悪いのに+4以上出ているのが複数いる
入りが複雑かといえば…そうではないのが2人



『1)高さおよび距離が非常に良い』の項目って
なんか全然見られてないんじゃないかって思うのですが……





着氷速度ランキング

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着氷が乱れているブレジナ選手がトップにいる

やはり、着氷速度が大きいと着氷が良いというわけではなさそうですね
もしかして、潔く転倒した場合がもっとも数値が大きくなったりしません?

着氷で詰まって見えたら数値は10未満になってはいるが
着氷したあとに堪えて詰まった場合は数字が小さくなってない

女子2Aよりも男子3Aの方が着氷速度の平均値は大きい
まぁ、2Aよりも3Aの方が行うのに必要なエネルギーが大きいのだから当たり前な気もする


女子の2Aでもっとも小さい着氷速度で+4以上ついていたのは12.5km
男子では+4以上ついたものの中でもっとも小さい着氷速度は11.8km


乱れた着氷ではないなら上位者に+4以上が出ているというわけでもなさそうな



女子2Aよりも男子3A方が許容範囲が大きいのでしょうかね?
一番影響がありそうなのが滑走順ってどうよ??









女子は着氷速度が関係しそうな3)が重要視ってことで着地点見つけた感あったのに
男子はホンマに法則性は何かないんかーーい?

……と他にも考えうるもの考えた結果…項目を増やしてみた



身長によって高さと距離の見え方が変わるかも?と身長で比率を出してみました
身長はISUバイオのものです。
身長詐欺はないですよね?高く偽っていたら数字が小さくなるだけですけど。

D比率=距離/身長
H比率=高さ/身長


あと、放物線の形を考えるために計算上の角度を出してみました

45°に近いほど美しい放物線になりますが、
実際は空気抵抗があるので45°だと距離がでにくいと言われています

空気抵抗があると42°ぐらいがもっとも効率よく距離が稼げるらしいので
42°よりも数値がかなり大きいと高跳び型、かなり小さいと幅跳び型です

女子の2Aで+4以上ついていたジャンプの角度を計算で出してみましたが、
24.22°~36.69°でした。女子2Aは幅跳び型が多いです

女子は距離と高さともに上位だが放物線はペッタンコでも+4以上出てるので、
形はあんまり関係ないかなと思ったんですけどね
そもそも高さよりも距離の方がジャンプの大きさは感じやすいと言いますし


滑走順で
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……GOEとは関係ないけど、今回の最終グループって平均身長が低いみたいですね





D比率ランキング
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やはり上位も下位もGOE+4以上ついてますね
身長の倍以上跳んでいても身長の1.4倍より小さくても+4以上がついてます




H比率ランキング
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身長による見え方の違いはこっちのほうで感じやすいと思います


例えば、チェン選手は高さ60cm未満なのだが身長が低めなので、
他の高さ60cm以上跳んでいる選手と比率が同じなんですよね

逆に身長の高いクビテラシビリ選手は高さ60cm跳んでるのに
比率は高さ60cm跳んでいない選手達と同じになってしまう

これまでの中では一番上位にGOE+4以上が増えた感はなくもないが、
でも下位にも+4以上出ているし……

上位も下位も+4以上出ているので身長による見え方の差は関係ないのでしょうかね?





角度ランキング
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高跳びしすぎでタワーになってても
幅跳びしすぎでペッタンコでも+4以上が出てますね……

あえて言うなら、高さも距離も下位な選手は放物線の形は良いってことですかね?






……もうアレか?いいトコ見つけたら加点するっていう





積極的加点から何でも加点に変わったってことでしょうかね




必須項目で唯一客観的データを得られる『1)高さおよび距離が非常に良い』は
全然必須になっていないってことで……







やっぱり滑走順がもっとも影響が大きい気がしますね

……演技にもルールにも関係ない、
採点競技ではよく言われるけどアカンやつやん……って思うのですが



第4グループ以降は着氷で明らかに引き下げのある選手以外では
クビテラシビリ選手を除いて+4以上がついてる気がします


最初の滑走のフェンツ選手はGOEが平均+2ですが、着氷だけを見るとかなり良い。
後の方で滑ってたらもっとGOE高くなっていたのでは……?って気がしますね








おまけとして、SPとFSでどれだけ数値が変わっているかも見てみましょう
ここで行うのは本人比較だけです

12選手がSPとFSで3Aのデータがありました

色分けは
ピンクがSPよりも大きい数値だったもの
青がSPよりもマイナスだったもの
距離は±10以上で薄いもの±25以上で少し濃く±50以上でさらに濃く
高さは±1以上で薄いもの±3以上で少し濃く±5以上でさらに濃く

チャ選手とバシリエフス選手はSPでのデータはなしでした

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田中選手はFSではSPよりもかなりジャンプ自体が大きくなりました
……その結果なのか、着氷が乱れましたけど

ジャンプが大きいってことはエネルギーも大きいってことで
当然コントロールが難しくなるのでしょう


サモヒン選手はFSの方が高さはあるのですが、FSでは回転不足でした
回転速度を確認すると、特に0.5回転から1.5回転の速度がSPよりも遅いですね
空中で軸をちゃんとつくれずに回転速度が遅かったのが原因かもしれません


ブレジナ選手はFSではSPと比べてかなりの高跳び型になっていました
ケリー選手はSPFSともに高跳び型ですが、FSの方がより高跳びになっていました
宇野選手はSPFSともに幅跳び型ですが、SPの方がより幅跳びになっていました


ジン選手はSPと比べてFSでは高さがかなり小さくなっています
放物線の形はそれほど変わりないですが


コリヤダ選手はSPと比べてFSでは距離がかなり大きくなり、
SPでは高跳び型だったのがFSではちょうどいい形になってます


クビテラシビリ選手とマヨロフ選手は
SPよりもFSの方がジャンプ自体が小さくなっていました


ジョウ選手とチェン選手は
SPよりもFSの方がジャンプ自体が大きくなっていました